日本の「おもてなし」とは?
観光の仕事などで「実際にお客様と接する立場の旅館・飲食店のおもてなしの研修が必要」といった課題が聞かれます。
ですが、正直、「じゃあおもてなしって何なの?」と聞かれると、ちょっと言葉に詰まってしまいます。
というか、恥ずかしなが日本に昔からあった「おもてなしの心」ってものをあまり理解してません。
そこで、少しでもおもてなしについて知りたいと思い、「おもてなしの源流」という本を読んでみました。
この本は、「日本のおもてなしとは何か、原点に立ち返って考えてみる」という目的で書かれた本で、リクルートワークス研究所の「サービス人材の育成」というテーマから持ち上がった企画だそうです。
企画した方も、「もっとも“おもてなし”にふさわしくない男」だそうで、いい意味で初心者向け。僕みたいなおもてなし初心者には非常に読みやすかったです。
内容は、「旅館」、「茶道」、「花街」、「きもの」、「しつらい」、「神と祭」の6つのテーマについて、どのようにしてその文化が生まれ伝えられてきたのか、その道の一流の方々がどのような修行をしてこられたのか、といったことについて書かれています。
茶道や和装などは、いろいろと決まりがあって、堅苦しい世界かと思っていました。
ですが、そういった伝統文化の世界は型にこだわったマニュアル的なものではなく、ある程度の基本を押さえた上での独創性・アイデアこそが問われる世界だということを知りました。
準備や物が足りない状況から、どう相手のことを思いやった、創意あるもてなしができるかが問われるものだそうです。
おもてなしを知ろうと思って読んだ本なのですが、日本のおもてなしとは何なのかという解説だけでなく、その精神を企業のサービスにどう活かしていくかというエッセンスについても触れられていると思いました。
僕も、人と対話し、思いやり、その時々の周囲の状況を楽しみながら、「一期一会」の時間を大事にできる人間になりたいものです。
なかなかできることではないですが…。
以下、本文より引用ハードウェアがどれほど見事でも、「もてなし」というソフトウェアの水準が落ちた途端、客は鋭く見抜き、拒絶する。
能狂言や歌舞伎でも、型を身につけたのち、役者の個性や風情が発揮される。
茶事は一期一会、つまり一生に一度という心構えが必要なものだと考える。
もてなしを源流にさかのぼって行くほど、もてなしの本質はかつて心を込めて行われていた神へのもてなしに通じている。
創意を欠く、制度に寄りかかったサービスや接待は、ホスピタリティではあっても、もてなしにはならない。
足りないから、持ち合わせ、間に合わせで工夫し、精一杯のおもてなしをする。それが素晴らしいもてなしとなる。
「おもてなし」を理解し、身につけることは、「おもてなし業」のコンセプトを明確化する上で役に立つ。また、主と客がアイデアを交換し、相互に入れ替わりつつ、製品・サービスを改良していければすばらしい。
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