創造性って、どうしたら伸びるのか
今日は(財)福岡アジア都市研究所のセミナー、
「東アジアからの挑戦~文化産業と創造都市~」に参加。
テーマは、文化力や創造性を軸にした産業育成・都市ブランドの形成について。
スピーカーは、
橋爪伸也氏(建築史家・都市計画家)
西山徳明氏(九州大学教授)
倪宝栄氏(福岡工業大学教授)。
以下概要。
広告・放送・デザイン・音楽・芸術などの産業は、「創造産業(creative industry)」と呼ばれており、例えば原価100円の化粧品が1万円で売れるなど、原価に対する付加価値が非常に大きい産業である。イギリスのクール・ブリタニア政策を始めとして、欧州各国は文化施策として付加価値のある創造産業の育成、都市ブランディングに力を入れている。
(事例)バルセロナ、ビルバオ(グッゲンハイム美術館)、ナント(街中で4日間繰り広げられる世界最大の人形劇)アメリカではシアトルにマイクロソフト、スタバ、amazonといった業界のトップを行く企業が数多く生まれている。
創造産業の育成が世界の都市にとっての目標となっており、韓国や中国、シンガポールは、国の重点施策として莫大なカネをつぎ込み、アニメ、ゲーム、デザインなどの産業を育成しようとしている。
特に中国はこの分野に注力しており、上海は「10年間でアジアのデザインハブ都市、20年間で世界のデザインハブ都市を目指す」と掲げている。上海では、行政の支援のもと創造産業関連の企業が集まる地区が形成されており、企業が集積している。
(事例)シンセン文化産業市、上海創造産業クラスターしかし、日本は個人、企業など民間の努力に任せており、今は東アジアのなかでほんの少しリードできているが、このままではいずれ追い越されてしまうのではないか。日本も行政主導のもと、創造産業の育成・バックアップにもっと力を入れるべきではないか。
結論として、福岡ではどのような創造産業を伸ばすべきか。
①既に実績のあるゲーム、デジタルコンテンツ産業の育成、
②福岡の地域性、食文化、人柄を活かした都市型観光、文化観光
に力を入れるべきだろう。創造産業の中でも、コンテンツやデザインなどの流動性の高い産業と、その土地に根ざした歴史・風土・文化といった土着性の高い資源があり、これを融合させるカタチが望ましい。
講演を聴いて、行政がバックアップすることで、コンテンツ産業がどれほど伸びるのかという点が気になった。アニメやデザインは、コスプレ好きやオタクの人が一部で熱狂的に盛り上がっていたり、サブカル的な魅力や、時代や権力に迎合しないものが魅力的に見えることが多い気がする。行政が支援すぎると、カドが取れて迎合しすぎ、おもしろみが無くなってしまうのではないか…。
先日参加したシンポジウム@飯山市の中で、新しい都市観光の事例として、「工場萌えの日々」が紹介されていた(練馬区役所井上氏)。
「工場萌えの日々」は、とある工場・コンビナート愛好家のblogから始まり、それが注目を浴びることで、雑誌、写真集、DVDが発売され、現在ではツアーも組まれている。
この“新しい旅”は、マニアの人が開発したものである。行政がマネをしてツアーを組んだりもしているが、オタクの視点・マニア性が無くなり、嗜好がずれて面白みが消えているという内容だった。
コンテンツ産業にしろ、新しい都市観光にしろ、一部の人が楽しみを見いだして、勝手に楽しんでいたものがその他大勢の人にも伝染したものが多く、行政がPRして大々的なイベントを展開したから流行る・盛り上がるものなのか?
ただ、カネをつぎ込んで競争のプラットフォームをつくり、優れた脳みそが集まると、良い商品が生まれる可能性が高くなるということはあるんだろうけど。
あんまりお金をかけずに創造的な都市をつくるための大事な条件としては、住みたいと思う、働きたいと思う人が自然と集まってくる都市であることがあるんだろうけど、福岡市はその点は恵まれてるかも。
また、新しい産業に投資することの一方で、各地に残る地域性の濃い文化や、古い建物は日々消えていっている。地域に残る文化を残していくことは、比較的実行しやすく、リスクもなく、効果的なことだと思うし、消えゆく地域文化への支援策は、行政に望まれている大きなテーマだと思う。
(いま、その支援策づくりのお手伝いをしているが、行政がどこまで支援するのか、どんなルールをクリアすれば支援できるのかというラインを設定するのが、本当に難しい)
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 創造性って、どうしたら伸びるのか
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://foopdedoo.sakura.ne.jp/hoge/mt/mt-tb.cgi/832


TITLE:
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
パリとかは
何とか方によって外観を良くしているよね。
(他の高層ビルが外観を邪魔しないように)
そして古き良き建物が現代にマッチして魅力ある都市になってる事実がある。
なんで、外国の古住宅は古くても魅力あるんだろうね。
根本の考えを変えて、これからできてくるものが
50年後に、古き良き物と感じることができるといいね。
何か話変わってしまったような気もするが。
TITLE:
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
景観のコントロールもほんとに重要です。
日本は外国に比べると、まとまって良い景観が残っているエリアはだーいぶ失われてしまったよね。
景観法や伝統的建造物保存地区といったように、面的に魅力あるエリアを守る方策はいろいろとありますが、単品の建造物や資源を守る方策はまだ多くないし、あっても画一的な気がします。
その土地の文化・風土に合った支援策が必要なんでしょうが。