2010年5月アーカイブ
僕の通っていた中学校は受験なしでそのまま高校へ進学できる便利な高校だった。
そのせいもあって中学3年は実に充実していたように思えていた。
勉強に友達に部活に恋に・・・・
中学3年の僕はある偉業を成し遂げようとしていた。
それはSEXだ。Cだ。
もちろんキス、Aは済ませてあった。
教室で駅のホームでどこかのビルの非常階段でカラオケボックスでバラ園で・・・
中2から中3になる間にAを済ませ、5月にはBを済ませた。
ただのBじゃなくB’もB+αも済ませた。
もう僕にはCしか見えてなかった。
6月もABABABABABABABABの繰り返し。
7月、中学生最後の夏休み。
ABABABABABABABABABABの繰り返し。
8月、暑い夏が終わる。
BABABABABABABABABABABAの繰り返し。
9月に入っての初めてのデート。
Cを味わいたい僕はある手段に出た。
幅90㎝、高さ180㎝くらいある巨大なポスターをもってデートに挑んだ。
そんな大きなポスターを何回も何回も折り曲げて小さくして、こそっと、かばんに忍ばせていた。
順調にデートは進んでいった。
そしていつもカラオケボックスに行く。
最低でもAとBは堪能できるカラオケボックス。でも、その日は違っていた。
僕にはあのポスターがある。
部屋に入るなり、喉を潤すためにジュースを注文。そして何かに詫びるかのようにケーキを一緒に注文した。
そして、適当に曲を数曲いれ、ジュースもAメロも来てないのに僕らはAをした。
ただのAでなくA+αだった。彼女も受け入れてくれている、求めている。
そして、このタイミングでかばんの中から大きなポスターを出し、間髪いれずに広げ、ポスターと一緒に準備していた
セロハンテープでカラオケボックスの部屋の扉を塞いだ。
完成。
あっけにとられたのかAの効果なのか、彼女の顔はほころんで見えた。
「いけそうな気がするぅ~」
何年後かに流行るはずのギャグをこの時点で僕は使っていた。
もう一度Aからおさらいだ。A、A’、A+α・・・AそしてB、B、B、B’、B’、B’、B+α、B+αそしてB+α’。
彼女もこの作戦に安心してくれたのか、いつもよりスムーズだ。
いよいよだ。
Cだ。SEXだ。
両手と両足と口が塞がっている僕は、最終確認のためわずかに動かせる目を使いポスターの状況を確認した。
完璧についてある。
完璧どころかジュースとケーキまでちゃんと部屋の中にいれてある。
「やっちまったなぁ」
また数年後に流行るギャグを僕は使っていた。
いつの間にか扉を開け、そして状況を確認したのち声をかけずらかった店員さんがそっと置いて行ったジュースとケーキ。
どの段階を見られた、A?B+α?もしかしてB+α’。
僕の異変に気付いた彼女も固まっていた。
二重でかわいい彼女の目もこの時ばかりは固まっていた。
18年前のあつい夏の出来事。